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画かきの悪口

「小泉さん。あなた余りおとなしくしていらっしゃるから、岡村さんが勝手な事ばかし仰ゃいますわ。あなたの方でも、画かきの悪口でも言ってお上げなさると好《い》いわ」「まあ僕は廃《よ》しましょう」純一は笑《わらい》を含んでこう云った。しかしこの席に這入ってから、動《やや》もすれば奥さんの自分を庇護してくれ...

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だいぶ晩酌が利いているらしい

「まだ来たばっかりです。来ると直ぐあなたにお目に掛かったのです」「柏屋には別品がいるでしょう」と、岡村が詞を挟んだ。「どうですか。まだ来たばっかりですから、僕には分かりません」「そんな事じゃあ困るじゃないか。我輩なんぞは宿屋に着いて第一に着眼するのはそれだね」 声と云い、詞と云い、だいぶ晩酌...

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女中に案内せられて

 女中に案内せられて、万翠楼《ばんすいろう》の三階の下を通り抜けて、奥の平家立ての座敷に近づくと、電燈が明るく障子に差して、内からは笑声《わらいごえ》が聞えている。Basse《バス》 の嘶《いなな》くような笑声である。岡村だなと思うと同時に、このまま引き返してしまいたいような反感が本能的に起って来る...

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