磐石糊

「磐石糊というのは、どんな物でございますの」と、奥さんが問うた。「磐石糊ですか。町で幾らも売っていまさあ」「わたくしあなたが上野の広小路あたりへ立って、かなぶんぶんを売っていらっしゃる処が拝見しとうございますわ」「きっと盛んに売れますよ。三越なんぞで児童博覧会だのなんのと云って、いろんなおもち...

このエントリーの続きを読む≫

— posted by id at 10:36 am  

画かきの悪口

「小泉さん。あなた余りおとなしくしていらっしゃるから、岡村さんが勝手な事ばかし仰ゃいますわ。あなたの方でも、画かきの悪口でも言ってお上げなさると好《い》いわ」「まあ僕は廃《よ》しましょう」純一は笑《わらい》を含んでこう云った。しかしこの席に這入ってから、動《やや》もすれば奥さんの自分を庇護してくれ...

このエントリーの続きを読む≫

— posted by id at 10:35 am  

だいぶ晩酌が利いているらしい

「まだ来たばっかりです。来ると直ぐあなたにお目に掛かったのです」「柏屋には別品がいるでしょう」と、岡村が詞を挟んだ。「どうですか。まだ来たばっかりですから、僕には分かりません」「そんな事じゃあ困るじゃないか。我輩なんぞは宿屋に着いて第一に着眼するのはそれだね」 声と云い、詞と云い、だいぶ晩酌...

このエントリーの続きを読む≫

— posted by id at 10:34 am  

T: Y: ALL: Online:
Created in 0.0110 sec.

http://andonoboru.com/